拉致被害者蓮池薫さん

拉致被害者蓮池薫さん

 

中央大学の学生であった蓮池薫さんは、日本から拉致され24年間北朝鮮にいました。

2012年に拉致と決断という本を書き、北朝鮮での生活を記しました。

ですがいまだ北朝鮮の監視下にあることは間違いなく、この本に書いてあることはその体験の一部分なのでしょう。

なぜか蓮池兄はおかしな思想になり、滅茶苦茶な本までだしました。

蓮池薫さんは、おそらく本当に言いたいことは言えないのだろうと、誰もが想像がつくことと思います。

一緒に戻ってきた地村さんは、記者から何か聞かれると、「蓮池さんはなんと言っていますか」と逆に質問をしていました。

北朝鮮の監視下におかれているわけですから、やたらな発言はできなかったのでしょうが、蓮池さんの顔色や発言をいつも気にしていた様子から、蓮池さんは北朝鮮では地村さんよりも階級が上で、エリートであったことがわかりました。

主体思想

 

北朝鮮の生活では、否が応でも主体思想というものを叩き込まれ、日常生活にもそれは徹底しています。

拉致された蓮池さんも、この思想を徹底的に勉強することになります。

生き延びるために一生懸命思想について学ばなければならなかったこともありますが、自分を拉致したものがどんな国なのかについて知りたいという気持ちもあったと、蓮池さんは言っています。

蓮池薫著・拉致と決断より

ーーーーー思想抜きに北朝鮮を語ることはできない。

そこでは行動とその結果を左右する最大の要素が、人間の精神、思想だと信じられているからだ。

たとえば技術的、物質的に優位にあるアメリカ軍に対しても、指導者への忠誠心と愛国精神が高ければ必ず勝利できると主張する。

労働者の生産性を高めるにも、給料を上げたり賞罰を行ったりする物質的なインセンティブより、国や社会への献身性を発揮させる思想的刺激のほうが有効と考えている。

学生の学業成績やアスリートの協議結果、農業の生産高なども、全て当事者の精神状態で決まるというのだ。もちろんこの精神論の背後には、国民を思想的に統制して国家体制の維持安定を図ろうという本音が隠されているのは言うまでもない。

アスリートが他国との試合に負けたりすると粛清されたり罰を受けるというのも、北朝鮮では当たり前のこととうなづけます。

要するに愛国精神と忠誠心に欠けた結果なのだとされてしまうんですね。

愛国精神が高ければ、金正恩も米国から斬首作戦なんかされることはないってことにもなりますね。

主体思想の他にも、社会主義思想と首領崇拝精神、これについても学ばなければいけないようです。

――――――日記を含め文章を書くときは、名前の前に「偉大なる首領」や「親愛なる指導者」といった尊称を付けなければならなかった。

尊称から名前に至る全体が一行に書ききれない場合に、二行にわけることも許されず、ましてや姓と名前を分離したりしたら一大事だった。

常に最高尊厳である金一族への崇拝が求められるのですね。

そういえば同じ拉致被害者の曽我ひとみさんも、帰国したときの記者会見で、

「将軍様のおかげで日本に戻ることができました」

みたいなことを言っていて、日本国中

「はあ?」ってなりましたよね。

将軍様のせいで拉致されてたんですよー。

お正月には党からプレゼントが贈られたようです。

ーーーーーーお酒は輸出用の高麗人参酒や国産ブランデーであり、タバコは良質のフィルターを使った高級品だった。日本では時代遅れと言われそうなビスケットやゼリーなどのお菓子も、北朝鮮社会ではなかなか手に入らない贅沢品だった。

まわりの人たちにはとても羨ましがられたが、日本で生まれ育った私には、普通の生活物資としか思えなかった。

にもかかわらず、伝達式の最後には首領への感謝とその配慮に報いるための「誓い」の言葉を述べなければならなかった。

~略

だが。首領に感謝する気持ちにはなれなかった。

「拉致しておいて」という思いは、消そうにも消せるものではなかった。

 

我々は天皇陛下を敬います。

天皇陛下に対してはそれなりの敬意を払う人が多いと思います。

例えば天皇陛下のお写真が印刷された新聞紙は、ペットのトイレ用には使わないとか。

それは自主的にそうしているもので、強制されたものではありません。

もしもその新聞紙をペットのトイレに使ったとしても、罰せられることはありません。

不敬罪はないのですから。

この辺が根本的に違うのだと思います。

このあたりの話が、戦前の日本と北朝鮮がそっくりなのだという人が持ち出す話ですね。

こんなひどい監視社会と粛清の国、それと日本が一緒だというのはさすがに無理があるでしょう。

不敬罪は確かにありましたが、赤が摘発されていただけですしね。

普通の国民は、当たり前のように天皇陛下を敬っていたと思います。

全く別種のものです。

北朝鮮という国が、戦前の日本を模倣しているのだという話は本当かもしれませんが。

真似っこしたみたけど、こんなふうになりましたっていうね。

実は信じがたいことですが、北朝鮮では外国人が優遇されているのです。

もちろん外国の人にいい顔を見せて、北朝鮮がいい国だよって宣伝してもらうためです。

朝鮮人が優遇をされているという点では、日本と同じかもしれませんが、脅して勝ち取ったものと、国家の政策とでは雲泥の差があります。

 

今、拉致被害者の人たちは、どんな暮らしをしているのか。

蓮池薫さんが帰国してから15年もたっていますので、かなり情勢はかわってしまっているかもしれません。

でも蓮池さんの証言から少しは暮らしぶりを窺い知ることができます。

そして北朝鮮情勢の緊張が高まる中、どのような思いでいるのか。

続きます。

 

おすすめ記事

 

 

 

 

 

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。